提言など
2025/10/17
財務大臣宛「国立大学法人等予算に関する要望書」

2025年10月17日

財務大臣 加藤 勝信 殿

全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 笹倉 万里子

国立大学法人等予算に関する要望書

 貴職におかれましては、日頃の国政に関わる大変なご尽力に敬意を表します。

 国立大学等では教育研究の充実・発展にむけて、そして国民や社会からの期待に応えるべく日々努力を行っています。

 国立大学等では、教育研究の高度化や役割の多様化に対応するための経費が増加する一方、これらを賄う運営費交付金は減少し、評価・競争的配分の拡大により不安定化しています。競争的資金・外部資金の獲得に努力しているものの、それらの資金は時限・目的限定であることから長期的視点での教育研究や大学運営に活用することは難しい面があります。その結果、人員の削減や日常の教育研究費の削減を余儀なくされ、教育研究環境が悪化しています。教育研究力の向上には、経済的価値に直結するものや早期に成果の活用が見込まれるもののみならず、研究の多様性を確保し、長期的視点での教育研究を可能とする環境整備が不可欠であり、そのためには大学運営の基盤を支える運営費交付金の拡充が必要です。

 加えて、この間の人件費の増加や物価高騰への対応が喫緊の課題となっており、優秀な人材確保や教育研究に必要な物品購入にも支障を来しています。特に、民間賃金や人事院勧告の上昇をふまえた人件費増への対応は困難を極め、各国立大学等では予算の見直し等の努力を行ってもなお財政的に厳しい状況にあります。

 つきましては、国立大学等に関する予算について、下記の通り要望いたします。実現にむけてご尽力いただきますようお願いいたします。

1.人件費の増加や物価の高騰に対応できる十分かつ緊急の予算措置を要望します。
2国立大学等の教育研究力の向上にむけて運営費交付金、施設整備費補助金の増額を要望します。
3国立大学病院の経営基盤の強化にむけた予算措置を要望します。

以上

全国大学高専教職員組合中央執行委員長