全大教第32回教職員研究集会(2025年9月20日~21日)の開催について
2025年9月11日 09時00分9月20日~21日の日程で全大教第32回教研集会を開催(対面とオンラインのハイブリッド開催)いたします。
詳細内容はこちらから▶(要ログイン)https://cc.zendaikyo.or.jp/member_site/rooms/seminar
1.日程、開催方法、対面開催の会場
●日程
2025年9月20日(土)13時~21日(日)16時
●開催方法、対面会場
対面とオンラインのハイブリッド開催
対面会場:京都大学吉田キャンパス 吉田南構内 人間・環境学研究科棟(受付:地下1階 大講義室)
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r-ys (地図内89の建物)
2.プログラム(予定)
集会のテーマ:大学改革の現状と今後-私たちの進むべき方向
9月20日(土)
13時00分~13時30分 開会、主催者挨拶、会場校挨拶、来賓挨拶、基調報告
13時30分~15時00分 記念講演:「大学の自治」「学問の自由」と労働組合運動(講演60分、ディスカッション30分)
講師:駒込武氏(京都大学教授)
15時30分~17時30分
分科会・教文部企画「学問の自由と大学の自治を守るためにー国民の理解と支持をどう獲得するのかー」
・組織拡大WG企画「【学習会】コミュニティ・オーガナイジングを活用した活動の活性化」
・高専(担当:高専協議会)
18時00分~19時00分 懇親会
9月21日(日)
10時00分~12時30分
分科会・教員(担当:教員部)
・技術職員(担当:技術職員部)
・非常勤職員(担当:非常勤職員部)
・高専(担当:高専協議会)
・病院(担当:病院協議会)
12時30分~13時30分 昼休み
女性部交流会(担当:女性部)
13時30分~16時00分
分科会・事務職員(担当:事務職員部)
・附属学校(担当:附属学校部)
・大学共同利用機関(担当:大学共同利用機関部)
・青年(担当:青年部)
・公立大学(担当:公立大学協議会)
(別記)
◎各分科会の趣旨
分科会 9月20日(土) 15時30分~17時30分
■教文部企画「学問の自由と大学の自治を守るためにー国民の理解と支持をどう獲得するのかー」
全大教は、学問の自由と大学の自治についての国民的理解を広げるための取り組みを進めています。その一環として、日本私大教連・公大連と共同で「学校教育法」改正案を作成し、政党や国会議員に提言活動も実施しています。今回の教研集会では、昨年の「秋のオンライン学習交流集会」に引き続き、上記三団体からの現状報告をいただき、その後に各単組からのレポート、それらをもとにディスカッションしたいと考えています。単組のみなさまには、ご自身の大学における自由や自治の現状や、それに関連する取り組みなどについて、ぜひレポートをお寄せくださるよう、ご期待申し上げます。もちろん、日本学術会議法の改正や、アメリカにおける大学自治の破壊が世界に及ぼす影響など、単組の枠を超えたテーマについてのレポートでもかまいません。研究者と学生が創造性を存分に発揮できる大学の在り方の実現のために、少しずつ国民の理解を広げる機会としたいと思います。
■組織拡大WG企画「【学習会】コミュニティ・オーガナイジングを活用した活動の活性化」
教育・研究・医療への社会からの期待は高まるなか、それを担う教職員の負担は増えています。教育・研究・医療の充実、労働条件の改善、そして、日々ともに働く仲間との交流と笑顔の職場づくりにむけて、組合の役割はいっそう大きくなっています。組合に期待される役割に応えるためには、一人でも多くの仲間を迎え、組合を大きくしなければなりません。
本分科会では、大阪府関係職員労働組合委員長の小松康則氏を講師に招いての学習会を行います。コミュニティ・オーガナイジングを使った取組例を参考に、組合員が主体性を発揮できる労働組合について学習します。
■高専
中学卒業後の5年間に一貫して専門教育を行う日本オリジナルの教育システムは、優秀な人材育成機関として国内から高い評価を得ています。しかし国立高専における内情は、独立行政法人として定められている効率化計数により、教職員の雇用や学校運営に最も直結する、基盤的な運営費交付金が法人化時(平成16年)に612億円であったのに対し、令和7年度には530億円と約14%減少しました。その一方で特別教育研究経費に関連した「高専の高度化、海外展開、地域貢献」が課され、従来からある「教育・研究、学生のメンタルケア、学生寮、部活動」などの業務も積極的に実施していかなければならない状況にあります。一貫して教職員の多忙化が加速を続けている状況です。
教員については高校教員の賃金水準をも下回り、職員については国家公務員との待遇格差改善殆ど成されていません。近年の給与改定では中高年に対する露骨な賃金抑制まで講じられました。中学校では部活動の地域化が進められていますが、高専ではそれもなく負荷軽減が進んでいません。にもかかわらず人員削減されたままです。人的資源の面でも高等教育機関としての安定的な基盤が破壊されています。
このような状況を踏まえて本分科会では、「高専教育の将来問題」、「高専教職員の労働条件」など高専における諸問題について、広く意見・情報交換を行います。
分科会 9月21日(日) 10時00分~12時30分
■教員
1.趣旨
近年の日本では、民間給与の動向を受けて大学教員への給与の増額がなされ始めてきていますが、それは若年層を中心としたものに止まっており、中堅以上の教員の給与増は鈍いままです。さらに、近年の人件費・物件費増に見合った運営費交付金の増額がないことによる大学運営の厳しさにより、競争的資金の獲得などが求められ、大学教員の「働き方」に大きな影響を及ぼしています。
そうした中で、2013年に制定された「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能⼒の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び⼤学の教員等の任期に関する法律の⼀部を改正する法律」に定める無期転換の特例である「10年ルール」をめぐる問題や、2022年の大学設置基準改正に伴う専任教員から基幹教員への変更、2023年4月からの国家公務員法のもとでの定年延長を受けた国立大学法人における定年延長など、近年教員の「働き方」や教育・研究の基盤を大きく変える法令の改正が相次いでいます。
このような状況のもとで、教員部では、(1)法令の改変や大学改革に伴う賃金・労働条件の問題、(2)教育・研究条件を中心とした教員の「働き方」の問題についてディスカッションを行ないます。このディスカッションに関わる賃金・労働条件や教育・研究条件を中心とした教員の「働き方」についての近年の状況に関する参加者からのレポートを歓迎します。
2.ディスカッションの柱
(1)法令の改変や大学改革に伴う賃金・労働条件の問題としては、①大学改革によって雇用形態の多様化が進んでいる教員の賃金・労働条件の改善について、②若手・中堅層が多くを占める不安定雇用の実態について、③実務家教員などの採用の拡大などに伴う新たな雇用形態について、④非常勤講師の賃金・労働条件・雇用形態について など
(2)教育・研究条件を中心とした教員の「働き方」の問題としては、①自由な研究時間の確保について、②教員の教育・研究環境について、③教員人事の問題について(人事抑制、法令・基準の改変に伴う雇用条件の変化)などを予定しています。これらの論点を中心に、教員の労働条件をめぐる議論を深めていきます。
■技術職員
キーワード:「上位ポストの獲得を含む、昇級・昇格」
「新採用確保を含む組織の年齢構成」
「定年引き上げと再雇用問題」
昇格改善には上位級の獲得や昇格基準の明確化、改正が必要です。いくつかの大学等では技術職員組織の改組、部長や課長といった部課長制による職位新設の動きがあります。技術職員の組織化や改組は、透明性と合意形成を尊重して行われる必要があることに加え、管理職以外の立場でも上位級を目指せるキャリアパスの設計や導入が非常に重要です。また、年齢構成の偏りなどの問題を抱えている技術職員組織においては、専門人材の確保をどのように推し進めていくかを早急に検討しなければなりません。加えて、多くの大学等で定年の段階的引き上げが実施されておりますが、給与に見合う適切な業務量や内容であるかを、再雇用を含めて注視していくことも重要です。
本分科会においては、毎年実施している昇格・手当支給等実態調査のデータや提出されたレポートを基に各単組間の交流・情報共有を行い、処遇改善にどうつなげるかについて議論を深めます。
■非常勤職員「職種を越えて、国立大学および高専の「不安定雇用」を考える」
雇用形態の多様化が進み、従来の「非常勤」の枠で捉えられない「非正規雇用」が増えています。この問題のおおもとは「不安定雇用」であることです。
今回の分科会では、「不安定雇用」に焦点を当て職種を越えて考える機会としたいと考えます。
■高専
中学卒業後の5年間に一貫して専門教育を行う日本オリジナルの教育システムは、優秀な人材育成機関として国内から高い評価を得ています。しかし国立高専における内情は、独立行政法人として定められている効率化計数により、教職員の雇用や学校運営に最も直結する、基盤的な運営費交付金が法人化時(平成16年)に612億円であったのに対し、令和7年度には530億円と約14%減少しました。その一方で特別教育研究経費に関連した「高専の高度化、海外展開、地域貢献」が課され、従来からある「教育・研究、学生のメンタルケア、学生寮、部活動」などの業務も積極的に実施していかなければならない状況にあります。一貫して教職員の多忙化が加速を続けている状況です。
教員については高校教員の賃金水準をも下回り、職員については国家公務員との待遇格差改善殆ど成されていません。近年の給与改定では中高年に対する露骨な賃金抑制まで講じられました。中学校では部活動の地域化が進められていますが、高専ではそれもなく負荷軽減が進んでいません。にもかかわらず人員削減されたままです。人的資源の面でも高等教育機関としての安定的な基盤が破壊されています。
このような状況を踏まえて本分科会では、「高専教育の将来問題」、「高専教職員の労働条件」など高専における諸問題について、広く意見・情報交換を行います。
■病院
昨年10月に続き、国立大学病院の6割に当たる25病院で、2024年度収支が赤字となる見通しだと国立大学病院長会議が5月9日発表しました。赤字額は25病院で274億円、42病院全体では213億円見込まれ、物価高に伴う医薬品や診察材料の値上がり、医師の働き方改革などによる人件費の増加などが影響したとして、改めて「診療報酬」の引上げや財政支援を国などに求めました。
人件費については、全大教の2024年人勧対応調査でも、人勧水準の改善が実施されない大学が約10数大学に上ったこと。特に4月遡及ができない大学が増えていることが特徴となっており、回答全体の約4分の1、病院を有する大学では約3分の1という結果となりました。
また、2022年10月に実施した看護労働実態調査結果では、仕事にやりがいを感じていると約8割が回答した反面、仕事をやめたいと回答した人も約8割となり、その理由として「人出不足できつい」「賃金が安い」「休暇がとれない」などが上位となりました。調査は医療3単産の統一した取り組みとして初めて実施したものでしたが、前述した設問も含め全体として全大教とほぼ同様の結果となったことは、医療現場における労働環境等の改善には共通の課題があることが浮き彫りとなりました。
今春闘では、ケア労働者の賃上げが民間企業の5%賃上げには遠く及ばない状況にあることが明らかとなっており、このままだと国立大学病院も今後の賃上げ(人勧対応)も困難となる大学が昨年度以上に広がることが危惧され、教育・研究・医療への深刻な影響が懸念される状況にあります。
国立大学病院を取り巻く状況は厳しいものがありますが、打開への道は現場の声にあると思います。教育・研究・医療を日夜支えている教職員の声を集め、その声をどこに届けるのか。今回の分科会では、参加者による各大学の職場の状況等の交流をメインにしつつ、現場の声を政府等へ届けその改善を求める、国立大学における唯一の全国組織である全大教(病院協)の強化を図る新たな一歩に出来ればと思います。
9月21日(日) 12時30分~13時30分
■女性部交流会
ダイバーシティや女性活躍推進の政策化やインセンティブを受けて、多くの大学に推進室が設置されていますが、情報公表によって男女間格差の実態も明らかになりました。また、任期付教員や非正規職員の増加もあって、様々な面から男女間格差を捉える必要もあるでしょう。
組合での女性教職員に関する取り組みや課題となっていること、女性部がある組合での交流等も含めた活動状況、また逆に、大学の男女共同推進施作で他大学で参考になりそうなことなど、参加者の間でフリーな情報交換ができればと考えます。昼休みの短い時間ですがぜひ奮ってご参加ください。
9月21日(日) 13時30分~16時00分
■附属学校
◇各附属学校園での課題について情報交換をしたい。予算や人事、労働環境など。また、奈良教育大学附属小学校についての報道以降、学校現場での変化なども出し合いたい。分科会では、教育実践レポートも限られた時間ではあるが予定している。教育実践において大切にしたいものを共有することで、附属学校の教育をどう発展させるべきなのかを考えていきたい。
◇教員の「働き方改革」がさけばれる中、附属学校教員の働き方にも注目が集まっている。附属学校間の情報交換を密に行って情報を集約し、各種手当の一覧表を2010年以降順次改訂している。超過勤務手当や特殊勤務手当などの各種手当や労使協定等の労働条件の情報を共有することで、大学本部との交渉に役立てられると考えられる。団体交渉では客観的に自校と他大学の水準を比較できる資料が意味を持つ。適切な賃金水準がどうあるべきなのかを考えていかなければ、附属学校園に優秀な人を獲得することができず、教育研究などの使命を果たすのがますます困難になってくる。全大教本部と附属学校を有する各大学単組が連携して、附属学校園教職員の労働条件を知り課題を共有しながら日常業務の見直しによる教職員の負担軽減や非常勤教職員の待遇改善などを目指したい。
◇分科会では教育関連情勢の分析もすすめる。GIGAスクール構想をはじめ、今日の教育政策が教育現場にどう影響を及ぼしているのか情報交換を進めたい。また、全国で顕在化してきた「教員不足」の問題についても教員養成も担う附属学校の立場から情報交換をしたい。全国の附属学校ですすめられようとしている校長専任化(公募)等の状況も踏まえながら、諸問題・課題を自分たちのこととして捉え、今この国の教育がどのように変わってきているのか・変えられようとしているのかをとらえ、私たちにできること、労働組合として力を結集すべきことを考えていけるような議論を積み上げたい。
■青年
青年部分科会では、大学・高専、そして職種、分野の垣根を超えた若手教職員(概ね40歳以下)が現地、もしくはオンライン上に集い、参加者からの情報提供、提言によってそれらの解決、改善のヒントが見つかるような議論の場にしたいと考えております。議論のテーマについては、「上司・先輩、または部下・後輩への対応、接し方の悩み相談」、「他大学・高専の気になることを聞いてみる」、「青年部の活動でやってみたいこと」、などについて各テーマで事例を挙げていきながら交流できればと考えております。皆さま、ぜひご参加下さい。
■事務職員
事務職員部では、ここ4年間のオンラインによる教研集会や交流会で (1)事務職員の組合員の交流 (2)事務職員の組合員拡大に関する交流 のいずれか(又は両方)を主眼にした集まりを開催してきました。今回も、各単組の事務職員の組合員の皆さんのほか、事務の職場の課題や組合員拡大に関心のある他職種や単組書記の皆さんにも幅広く参加を呼びかけます。
今回は、参加者の皆さんからのレポート発表に基づく交流、討論を中心に進行していく予定です。レポートしていただきたい分野・テーマの例を以下に示します。単組での取り組み報告にとどまらず、職場の現状報告や日頃感じていることの問題提起など、簡単なものでも結構ですのでぜひお寄せください。
(1)事務職員の課題・悩み
・事務職員の「働き方」の多様化に伴う問題(長時間残業対策、育児・介護などダイバーシティ対応、メンタルヘルス対応、ハラスメント対応など)
・事務職員とブルシット・ジョブ(事務職員にとっての仕事のやり甲斐とは?)
・事務職員の専門性向上、キャリアアップ(希望に沿った異動、できてますか?)
・部局共通事務化、チーム制導入など事務組織改組、人員削減問題
・異動官職(幹部事務職員への文科省からの現役出向)に伴う問題点 など
(2)事務職員の組合員拡大に向けて
・組合から事務職員への働きかけ事例(職員アンケート、組合説明会など)
・事務職員の中での意識の違い、分断(世代間の違い、総務系VS財務系VS学務系、本部VS部局、「使える職員」と「使えない職員」、など)
・事務職員の組合活動、組合勧誘に関する悩み・疑問点 など
もちろん、対面・オンラインも含め、レポートを予定されていない方のご参加もお待ちしております。
■大学共同利用機関
大学共同利用機関部会は、国立天文台、国立国語研究所、高エネルギー加速器研究機構の三機関の組合が参加し、共同利用機関に特有の課題について情報交換と議論を行ってきました。2022年3月からこれらの3機関をふくむ4つの大学共同利用機関法人と総合研究大学院大学を加えた5法人による一般社団法人大学共同利用研究教育アライアンスというものが発足しています。
大学共同利用機関についての議論が行われている文科省の科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会において、このアライアンスについての議論や、第7期科学技術・イノベーション基本計画に向けた検討などが行われています。
今回は、この文科省の審議会等で出された資料などをもとに、それぞれの機関での現状の確認と情報共有をおこないたいと思います。
■公立大学
1.大学の財政
公立大学はどこも財政難で、それを理由にされて労働条件、研究条件が悪化しています。また、地方自治体行政が、運営交付金を適切に支出しているのかという問題もその背景として大きい。特に、大学によっては、地方交付税に関わる公立大学に関する基準財政需要額に相当する額が支給されていないという問題もあります。さらに、政府による基準財政需要額の算定基準が適正かどうかも問題があります。
2.大学自治
公立大学における大学自治の問題のありかたは多様ですが、大学自治原則が傷つけられていることは共通しています。大学内部の自治制度(選挙制度など)、教学の分野での教員の自主的決定権の程度、自治体に対する大学法人の自律性などの問題があると思われます。
